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礒野 高明; 布谷 嘉彦; 安藤 俊就*; 奥野 清; 小野 通隆*; 尾崎 章*; 小泉 勉*; 大谷 望*; 長谷川 隆代*
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 13(2), p.1512 - 1515, 2003/06
被引用回数:21 パーセンタイル:67.67(Engineering, Electrical & Electronic)原研では、実証炉での適用を目指して高温超伝導を用いた大型導体の開発を行っている。高温超伝導は、実証炉で要求される16T以上の強磁場を発生することが可能である。16T,4.2Kでは現在最も性能が良い銀合金シース型Bi2212丸線を用い、10kA,12T導体の試作を開始した。導体は、直径は34mmで、729本の撚線である。動作温度は、4Kだけではなく20Kでも設計しており、サンプルは間接冷却で、導体表面はハンダで固めている。これは、20Kでは超臨界圧ヘリウムの比熱とほぼ同等となる鉛の比熱を利用するためである。導体試験の結果、大型高温超電導導体の製作性の実証と、12T,約12.5Kでの10kA通電が成功し、高温超伝導の核融合応用への可能性を実証できた。
布谷 嘉彦; 礒野 高明; 杉本 誠; 高橋 良和; 西島 元*; 松井 邦浩; 小泉 徳潔; 安藤 俊就*; 奥野 清
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 13(2), p.1404 - 1407, 2003/06
被引用回数:10 パーセンタイル:49.29(Engineering, Electrical & Electronic)ITER中心ソレノイド・インサートコイルの臨界電流値()及び分流開始温度()の解析を行った。本コイルはNbSn製の超伝導コイルであり、ITER中心ソレノイドモデル・コイルを使用して実験を行った。及び測定中に超伝導導体に発生するノーマル電圧の挙動は、特に本コイル導体のように1000本以上の超伝導線から構成されている大型導体の場合はよくわかっていない。本コイルの電圧発生挙動の詳細な解析により、導体長手方向の電界の導体断面内での平均が、素線の長手方向におけるコイル長に渡る平均電界と等しくなることがわかった。この平均電界をコイル長で積分したものを実験では電圧タップにより測定している。これは導体の撚りピッチが導体長手方向の磁場変化の度合いに比べ、今回の場合、十分小さいことから成り立つ。本研究により、電圧発生挙動を理解でき、大型導体を用いたコイルの設計に重要な特性である及びの値を導体を構成する素線の性能から予想できる。
青木 康祐*; 泉 佳伸*; 西嶋 茂宏*; 奥野 清; 小泉 徳潔
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 13(2), p.1744 - 1747, 2003/06
被引用回数:1 パーセンタイル:12.37(Engineering, Electrical & Electronic)1152(34446)本の素線で構成されるCIC導体の素線配置をモンテ・カルロ法を用いて解析的に評価した。導体は、製造中に片端より縮径されて、素線が伸びるが、解析では、この工程も考慮した。また、素線同士の接触によって発生するエネルギー,素線が歪むことで発生するエネルギーも考慮した。計算の結果、素線が縮径時に移動することがわかった。また、本計算では、素線配置だけでなく、素線間の接触圧も評価可能である。
土屋 勝彦; 木津 要; 三浦 友史; 安藤 俊就*; 礒野 高明; 松井 邦浩; 小泉 徳潔; 松川 誠; 逆井 章; 石田 真一
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 13(2), p.1480 - 1483, 2003/06
被引用回数:6 パーセンタイル:37.54(Engineering, Electrical & Electronic)JT-60では、臨界条件クラスの高性能プラズマの長時間維持を目的として、コイルの超伝導化を伴う改修を検討している。本講演では、本改修装置の主な構造物であるトロイダル磁場コイルの設計の背景、並びに設計活動と導体の開発の現状について報告する。トロイダル磁場コイルの超伝導材料としては、先端材料であるニオブアルミを主案としている。このニオブアルミは、歪みに対して性能が劣化しにくい特徴を持つので、熱処理後にコイル化(R&W;リアクトアンドワインド法)ができる。これは大きな熱処理炉を必要としないので、大型コイルの製作には有効な製法である。また、電流密度も大きく設定できるので、コンパクトなコイルの製作が可能である。現在、実寸断面導体を用いたD型サンプルを製作し、このR&W法を実証する試験を行う準備をすすめている。トロイダル磁場コイルの構造については、有限要素プログラムを用いた強度評価を行った。この解析結果より、応力については、コイルケース,コンジット,絶縁体ともに、成立することが確認された。また、転倒力によるコイルの変位については、最大で10mm程度になる評価となった。今後さらに変位を少なくすべく、コイルケースの強化と実際の製作手段を考慮したモデルによる解析を進める。